ノーコードツールとは【エンジニアじゃなくてもシステムが作れる】ーコードツールとは

IT用語解説

この記事はこんな人へ

・企業のIT担当になったから

・システム開発のトレンドについて知りたい方

ノーコードツールとは

従来のシステム開発は、エンジニアがユーザの要望を聞き、それを設計・実装・テストしながら形にしていく手法です。この開発手法は多くの時間と専門知識を必要とし、開発からリリースまでに数ヶ月かかることも珍しくありません。

一方で、近年注目されている「ノーコードツール」は、プログラミング不要でユーザ自身が直接システムやアプリを作成できる手法です。これは、開発の敷居を大きく下げ、スピーディかつ柔軟な業務改善を可能にします。

現場でのノーコードツールの仕様は下記の目的で使われることが多いです。
・自部署だけで完結する簡易ツール(例:申請フォーム、簡単なDB管理)
・プロトタイプ(試作品)やMVP(実用最小限の製品)を素早く作って試したい場合
・開発部門のリソースが足りないときの暫定対応

つまり、ノーコードツールは「スピード重視で、限られた範囲・目的に特化した開発」に最適ツールと言うことができます。

今まで必要だった専門知識も不要で直感的に操作できるというのは大変な魅力ですよね。

両者の主な違いは下記の表の通りです。

観点従来のシステム開発ノーコードツール
開発者エンジニア中心非エンジニア(業務担当者など)も可能
開発手法要件定義 → 設計 → 実装 → テスト → 運用GUI上でドラッグ&ドロップで構築
開発速度数週間〜数ヶ月数時間〜数日で試作が可能
コスト人件費やインフラコストが大きい初期費用が安く、無料プランも存在
柔軟性/自由度高い(コードで細部まで制御可能)ツールの機能範囲に依存(制限あり)
拡張性大規模・高負荷にも対応可小〜中規模向けが中心
保守・運用社内で制御可能(技術者依存)ベンダーの仕様や更新に依存することが多い
セキュリティ自社要件に応じて設計可能ツール側の対応範囲内で制御
活用例企業基幹システム、業務統合、B2C向けアプリなど業務支援ツール、社内フロー自動化、簡易CRMなど

ノーコードツールの活用事例

活用事例①:【日本】リクルート|業務効率化 × Glide

  • 使用ツール:Glide(Googleスプレッドシートからアプリ作成)
  • 用途:社内で使う簡易的な営業日報アプリの作成
  • 背景:エクセルベースの日報では集計・確認が面倒
  • 効果
    • ノーコードで1日以内にプロトタイプ完成
    • アプリ導入後、日報確認時間が1/3に短縮
    • 他部署へも展開されるなど、社内で横展開

活用事例②:【日本】パーソルキャリア|社内申請業務 × Microsoft Power Apps

  • 使用ツール:Microsoft Power Apps
  • 用途:人事部門の入退社手続きアプリを内製
  • 背景:紙とメールで行っていた申請作業の手間が大きかった
  • 効果
    • 内製でアプリ化し、年間約1,500時間の業務削減
    • IT部門の支援ほぼゼロで現場主導で完結
    • ノーコード文化が他部門にも波及

活用事例③:【アメリカ】Airbnb|社内プロトタイプ検証 × Retool

  • 使用ツール:Retool(データ操作系のノーコードツール)
  • 用途:新しいホスト向けツールの内部プロトタイプ
  • 背景:エンジニアの手を煩わせず、UXチーム主導で検証したかった
  • 効果
    • プロトタイプ開発にかかる時間を数週間 → 数日に短縮
    • エンジニアが関与するのは後半だけになり、工数削減に成功

活用事例④:【アメリカ】Zapier社|社内業務自動化 × 自社製品(Zapier)

  • 使用ツール:Zapier(アプリ連携自動化ツール)
  • 用途:Slack通知、顧客管理、請求プロセスの自動化
  • 背景:社内のルーティン作業が多く、エンジニアの手を割けなかった
  • 効果
    • 月間数百時間分の作業を自動化
    • ノーコードで構築された自動化フローは1,000以上

このように国内外問わず誰もが聞いた企業でも使われていたりします。

ノーコードツールの未来予測

ここまでノーコードツールについて書いてきましたが、最後に私のノーコードツールの未来予測を行っていきたいと思います。

結論

「小規模な企業や小規模なシステムの導入ではこれからも増えるが、大企業や大規模なシステム開発での導入はそこまで伸びることはない」

これが2025年6月現在の私の未来予測です。

このように考えるのは2つの理由からです。

理由①:小規模な企業に求められるレベルならノーコードツールで何とかなる

小規模な企業では基本的にExcelやPowerPointなどのoffice製品を使って業務が回ります。

申請書、稟議書、発注書、発注請書、納品書などをExcelでテンプレート化して使い回し使用している企業も多いでしょう。

このように今までoffice製品を使って少人数で業務を回してこれた企業の業無負荷ならばノーコードツールでも十分に耐えることができるからです。

理由②:大企業の業務要件が難解すぎてついていけない

大企業は業務要件が膨大かつ複雑に絡み合っています。

複雑な業務要件に対して非IT人材が自由度の低いツールでシステムを構築することは難しいとかがあるでしょう。

また、特に日本の大企業ではシステムを「作る側の意見」よりも「使う側の要望」が優先されることが多々あります。

海外ではパッケージ製品に業務を合わせることでシステム構築を行っていくことが多いですが、日本では業務にシステムを合わせることがとても多くなっているため、複雑かつ膨大な業務に対応するシステムの仕様は複雑かつ膨大なものとなってしまいます。

その点からも非IT人材がノーコードツールを用いてシステム導入することは難しいと言えるでしょう。

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最後に

未来は誰にも読めん。

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